2012年8月11日土曜日

未完成脚本・新人公演用脚本案・『カカオ豆みつけた。』11P目。

ミユ  スイゲンは川の始まりなんだから、川のあとを登って行ったらいいのかな?よーし…

村娘  あの…。

ミユ  ?

村娘  村を抜けて少し行くと森があります。そこにはいたずら好きの精霊が住んでいて、村の

人のたくさんのひとが、その森で引き返すことになったんです。

ミユ  セイレイ?セイレイってなに?

村娘  精霊というのは妖精とかと同じで、人そっくりの生き物…っていうのかな?

ミユ  ヨウセイ?ヨウセイってホントにいたんだ。

村娘  ええ、いますよ。

ミユ  へー、楽しみだなあ。

村娘  いや、楽しみじゃなくて気をつけてください。何人ものひとが、精霊のために引き返し

てるんですから。

ミユ  はい。分かりました。

村娘  それと、これもって行って下さい。水源までは、かなりありますので。

 村娘、食べ物の入ったバスケットをくれる。

ミユ  ええ?いいの。

村娘  はい。頑張って下さい。

 ミユ、バスケットを受け取り、本もそこにしまおうか。

ミユ  それじゃあ、行ってくるね。

村娘  あ、村の出口まで送ります。

ミユ  ありがとう。

 村娘、ミユ出て行く。

 村の出口。

ミユ  それじゃあ、行ってくるね。

村娘  気をつけてくださいね。あそこが、さっき言った森です。

ミユ  ありがとう。それじゃ。

 ミユ、進んでいく。村娘、しばらく見送り、去る。

 精霊の森。

ミユ  ここが、あの子の言ってた森かあ。

 ミユ、森に入っていく。

ミユ  薄暗いなあ。

 精霊達の声が響き始まる。「帰れ。」「帰れ。」「帰れ。」…

ミユ  あ、これがセイレイさんか。おーい、セイレイさん。私は帰らないよ。

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